薬剤熱:レビュー論文

 Patel, R.A. and Gallagher, J.C. (2010), Drug Fever. Pharmacotherapy: The Journal of Human Pharmacology and Drug Therapy, 30: 57-69. doi:10.1592/phco.30.1.57

https://accpjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1592/phco.30.1.57

 

<コメント>

たまには臨床的なネタを。

 

<要旨>

薬剤熱は間違って診断されることが多い、ありふれた病状です。薬剤投与時の発熱があり、候補薬物を中止すると消失します。薬物熱は 通常、発熱の他の原因が明らかにならない場合の発熱で疑われ、抗菌薬治療がすでに開始されている場合もあります。初めて薬剤を投与された感作性のない患者では、発熱の発現は大きくかわり、薬剤のクラスによって異なりますが、最も一般的には薬剤投与7~10日後に発現し、薬剤を中止すると急速に軽快します。早期診断により、不適切で有害な可能性のある高額な検査・治療介入を減らすことができる可能性があります。候補薬物による再投与は、通常、数時間以内に発熱を再発させ、診断を確定させます。再投与は議論の余地があり、より重篤な薬物反応の可能性があるため、行うとすれば細心の注意を払うべきです。薬剤熱の病態生理におけるメカニズムを解明し、薬剤熱の発症に関与していると考えられる多種多様な薬剤について、発表された報告を要約しています。薬剤熱における抗菌薬の影響には特に注意が払われるべきです。

 

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表1: 薬剤熱の原因薬物

 

抗菌薬系・・・多いですね。
葉酸とかも報告あります。

 

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薬剤熱のメカニズム

カニズム

・体温調節の変化;抗コリン薬・・・
・投与自体の関与;アムホテリシンBなど、
・薬剤の薬理作用;抗がん剤・・・
・特発的反応;麻酔薬・・・
・過敏反応;アロプリノール、抗菌薬など