地域医療×医学教育
なぜ地方の医療で医学教育が重要かというと、それは
「継続性」
があるからに他ならない。
近年、時折新聞やニュースでみかける「○○病院、内科医大量辞職!」といった報道は、実際に起きていることなのである。例えば、一人の内科医が15人の入院患者と80人の外来患者を担当していたとすると、10人中3人の内科医が辞職するのみで150人の入院患者と800人の外来患者を残された7人で診なければならなくなる。すると、一人20数名の入院患者、100人超の外来患者を担当せざるを得なくなる。そして、当直も増え、日々の残業も増え、睡眠時間はへり、余暇の時間はへり・・・疲弊してやめる。さらに3人辞職し、残された4人は完全にover work、そしてどんどん辞めていく・・・という悪循環である。
そこで、一つの解決の糸口は「研修医」である。
研修医に仕事を押し付けるのか!?という声が挙がりそうだが、確かに部分的にはそうかもしれない。しかし、そこに「医学教育」、つまり「研修医教育」の要素を含むことで解決になるかもしれないのだ。
150人の入院患者がいたとして、
研修医指導に関与しない医師5人が15人ずつ担当=75人
・研修医4人が15人ずつ担当=60人
・研修医指導 担当医2人が7~8人ずつ担当=15人
と分散することができる。担当患者の人数の分散は、それすなわち仕事の分散につながるのだ。
ここでの鍵は単に研修医に担当患者を割り振るのではなく、「教育回診」を行うことで研修医教育を充実させることが必要である。教育回診については、今後説明していく。