過去の振り返り③ 沖縄県立中部病院の救急センター

 

【救命救急とは】

中部病院の看板の一つである救急センターは初期研修で重要な柱の一つです。

研修医になりたての4月、僕の初めて受け取ったホットラインの電話は、 救急隊員の 「受け入れは可能ですか?」 という必死な声が一番印象的でした。救急車で飛ばして一時間かかる場所からの電話でした。 僕は初めての事だったので、周りの先生に受け入れは可能ですかと尋ねると、「もちろん。」と言ってくれました。その先生は産婦人科の7年目の先生でした。どんな患者さんとも聞かずに即答でした。それが意味するのは、中部病院の救急医療に対する姿勢です。どんな患者さんでも受け入れられるというキャパシティがあるということ、その責任を負えるだけの覚悟があるということ、すごいなと感じた研修医1年目4月の初めでした。

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毎日、ERで熱い指導をしてくれる某先生。ホットライン用のホワイトボードも救急車が来てない時は、レクチャーボードに。

手元には、沖縄県立中部病院式のERマニュアルが。

 

沖縄県立中部病院では、一年目研修医が「ファーストタッチ」と呼ばれる、いわゆる初期対応を行います。救急センターはER型であり、1次~3次までの患者が来院し、walk-inと救急車、同時に診療しなければなりません。

その中で、

1. 優先順位をつける能力

2. マルチタスク能力

3. 上級医・専門科へのコンサルテーション能力

が身についていくのだと思います。

 

僕が研修していた当時は、入職後4月~5月は先輩医師が隣についてスーパーバイズしてくれていました。いわゆる、「バイザー期間」ですね。

その時、先輩医師がNear Peer Role Modelとして、自分たちの強力なモデルになっていたのだろうと思います。