2018年7月 岡山市の大雨による被害に対する考察 予想・対策は可能だったのか2 災害心理学

先週降り続いた大雨は、自然災害の少ないこの地方に甚大な被害を引き起こした。

 

 

屋根近くまで冠水した真備町周辺=7日午前8時51分、岡山県倉敷市朝日新聞社ヘリから、加藤諒撮影 

岡山・倉敷などで深刻な被害拡大 屋根まで冠水している地域も より

 

 なぜここまで被害が拡大したのか。

今回は、物理的なことではなく、人間の心理的な側面に着目して考えたいと思う。

鍵となる考え方は

1.正常性バイアス

2.多数派同調バイアス

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韓国で地下鉄火災 - Google 検索

これはよく紹介されている画像で、2003年2月18日に韓国で起こった大邱地下鉄放火事件

ここで、地下鉄内で煙が出ているにもかかわらず、乗客は混乱する様子もなく座っている。

・「地下鉄で火災が起こるわけがない、気のせいだろう」・・・正常性バイアス

どのような人間心理にもある程度存在するとされる認知バイアス」の一種で、目の前物事異常な状態を示していても、比較大きな状態変化がない限りは正常であるとみなしてしまうこと。日常生活における心理的なストレス軽減するため無意識行われるとされる正常性バイアスとは - 日本語表現辞典 Weblio辞書

 

・「みんなそのまま座っているし、このままいれば大丈夫だろう」・・・多数派同調バイアス

 

人間が集団で存在している場合、多くの人がとっている行動が正しいと信じてしまう、バイアスのようだ。

Majority Syncing Bias, which refers to the behavior of people to follow the crowd, believing that what most people do should be the right action to take also. It also clouds their judgment to react to other known and visible factors as long as majority is behaving the same way as he does. This is what happened when evacuating residents preferred to stay in their car in traffic while transferring to a community shelter. A lot of them were caught up in the raging waters of debris.(People, Places and Praises: Selfless Love)

 

 

これらバイアスは、災害心理学の重要な要素として知られており、被害拡大の要因となっているだろう。

 

では、どうすればよいのか。

 

地域住民は大災害を経験したこともなく、どうしても数十年に1度来る自然災害を目のあたりにしても「正常」と認知しがちで、周りと同じ行動をとってしまうだろう。それが、自然な人間の心理だと思う。

しかし、そこを打破しないと次の災害時に被害拡大を予防することはできない。

 自分自身が経験していなくても、歴史は忠実に状況を表してくれている。

やはり、「消防/市役所」が重要だと思う。公共機関が先陣を切らないと!と思う。

消防が率先して、地域をめぐり地域住民に注意喚起していたらどうだったか。

まずは高齢者や身体的に不自由な方でもよい。少しずつでも避難行動が始まれば、この正常性バイアス多数派同調バイアスも崩れていくことになる。

もちろん、公共機関に責任を押し付けるのもおこがましいので、自分自身で自分の住んでいる地域のハザードマップを日ごろから確認しておくこと。もしくは、

「大雨・洪水警報発令」→「自分の住居のハザードマップを確認」→「これはまずい!という認識」→「避難行動」

でも十分効果はあるのではないか。

引き続き、災害について考察していきたいと思う。

 

※今回の災害での亡くなられた方のご冥福を、行方不明の方は一刻も早い発見・無事を、被害を受けられた方も一刻も早い回復をお祈りします。

 

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